四日市公害・環境市民学校2008参加へのお礼

2009/04/01

 
  四日市公害・環境市民学校二〇〇八参加へのお礼

  この度は市民学校二〇〇八への参加、誠にありがとうございました。記名された参加者は一四三名、延べ参加者は四二三名、各回の参加者は平均して約五〇名、修了証をもらった人(五回以上の参加者)は三六名でした。これは私たちの当初の予想をはるかに超えるもので、今後の市民活動への手ごたえを大いに感じることができ、こころから感謝します。

  振り返ってみれば、この市民学校は、四日市再生・公害市民塾が中心となって企画した『「四日市公害判決三五周年」市民の集い』(二〇〇七年七月二二日)が大きなきっかけでした。これを準備する中で、いままで語り部活動(公害教育)を中心としてきた市民塾をさらに充実させ、四日市の変革、市民運動の活性化の取り組みの一つの要として「NPO環境市民大学よっかいち」を立ち上げ、市民学校を開校しようということになりました。
  第一回は宮本憲一先生による基調講演「環境を大切にする社会の実現に向けて」で、九〇名近くが集いました。その後、第二、第三、第五回では、「四日市公害」の歴史や四日市地域経済の歴史を学び、未来を切り開くための足場を固めました。特別講座では塩浜駅から磯津漁港まで語り部の案内の下、自分の足で公害の現場を見て歩きました。第四回は、「四日市公害」の原点でもある患者さん達と対話してみました。後半の第六、第七、第八回は、現在進行形の公害ともいうべき廃棄物問題を扱いました。
 
  最終回(第九回)では、これまでのまとめと、この間の市民塾の取り組みの紹介、修了証書の授与、その後、全参加者による話し合いをしました。紹介された市民塾の取り組みは、従来からの語り部活動以外に、石原産業コンプライアンス問題、四日市港長期構想問題、流域下水道処理場埋め立て問題、新市長との対話、公害資料館づくり、若手による通信『なたね』の発行という多彩なものになりました。
  全体討論では、今後の課題を中心に熱心な話し合いが持たれました。とりわけ資料館づくりに関しては、住民投票による条例請求をしてはどうか、若者の集える場にして欲しい、琵琶湖博物館も参考にするとよい、など具体的な提案も次々に出されました。第八回に引き続き、一参加者として京都から駆け付けてくださった宮本憲一先生からは「公害資料館づくり、企業への立入調査、公害患者への福祉を含めたケアと支援、全住民による自治の確立、市民学校の一〇年継続を」など熱い思いのこもった課題も頂き、身のひきしまる思いです。
 
  現在、私たちは市民塾を中心に、公害資料館づくりの検討を重ねています。できるだけ多くの市民のアイデァを結集して、市民にとって誇れる資料館づくりへの大きなうねりを創り出したいと願っています。一九三〇年代以来、大企業誘致の政策の下で、自前の文化が育ちにくくなったと思われる四日市ですが、公害を真に克服していく過程でしか得られないような、豊かで、個性的で、世界に発信できる文化を育てたいものです。そして資料館づくりをそのための大きな一歩にできればと思います。是非とも皆さま、おひとりおひとりの力をお貸しください。
 
  さて、市民学校二〇〇九ですが、前半は先日の案内に同封したチラシで紹介しました、四日市まちづくり市民会議との共催による企画です。
 
  語り部・澤井余志郎さんによる
  『見たまま、聞いたまま、思ったまま』連続講座
                  ~自らの体験とビデオ映像で伝える~
                  於:四日市市総合会館 七階第2研修室
                  時:四月~六月  各月第二、第四水曜日
                      四月   八日、二九日(第五水・祭日)
                    五月 十三日、二七日
                    六月   十日、二四日
                    午後 六時~八時

 各会参加自由(連続でなくて可)、無料です。是非とも、一度ゆっくりと澤井さんのお話を聞きにいらしてください。

 なお市民学校二〇〇九の後半は現在検討中です。市民学校二〇〇八の報告集は必ず出す予定です。これからも皆さまとの絆を大切に、いろいろと発信を続けて参りますので、今後ともよろしくお願いします。

                      NPO環境市民大学よっかいち
                           代表 粟屋かよ子
                                       二〇〇九年三月三一日