第5回講座のご案内

2008/11/12

四日市公害・環境市民学校2008   第5回講座のご案内

   11月15日(土) 午後1時30分開始
  四日市市総合会館8階

『四日市地域経済の再構築に向けて』
講師:岡田知弘(京都大学大学院教授)


 港町四日市は、かつては、三重紡績(のちの東洋紡)の本社がある一大紡績産業都市であり、農村部の菜の花を原料にした製油業や万古焼に支えられた都市でした。それが、なぜ、「公害問題」を生み出すコンビナート都市になったのでしょうか。
 まず、『四日市市史』の編さん作業を通して明らかとなった、四日市公害を引き起こした歴史的・経済的要因について考えてみたいと思います。
 このように歴史を振り返ることによって、確かな視座から未来を展望することが可能になります。コンビナートの再編・空洞化が進む現在の四日市地域経済は、将来的にだれが担っていくのでしょうか。生活を支えるためには、何らかの産業が必要なことはいうまでもありません。しかし、これまでと同じように、企業誘致政策だけで、高齢化が進む市民の生活は支えられるのでしょうか。
 そうではなく、何よりも市民の健康で安全な生活の向上のために、広大な四日市市内の臨海部と内陸部、農山村部を相互に結合しながら、市内どこでも、環境と共生しながら、市民が住み続けられるような地域経済を再構築することが求められているように思います。四日市には、誘致企業以外の地域中小企業や農家が数多くあり、それらが、地域経済の重要な担い手となっています。それらの力を生かす自治体の行財政のあり方についても、問題提起してみたいと思います。


 講師の岡田知弘さんは、上述のように『四日市市史』第19巻(2001年)第3章『高度成長と公害』、第4章『総合産業都市をめざして』等で執筆されている方です。
 また、四日市で3年間行われてきた「四日市環境再生まちづくりプラン検討委員会」が昨年にまとめた政策提言書の一部を収録した『環境再生のまちづくり-四日市から考える政策提言』(ミネルバ書房)では第6章「四日市地域経済の維持可能性と政策的課題」を執筆されています。